WordPressサイトのサーバー移行でよくあるトラブルと対処法まとめ|同一ドメインでConoHa WINGへ移行した事例

WordPressサイトのサーバー移行でよくあるトラブルと対処法まとめ|同一ドメインでConoHa WINGへ移行した事例

『ConoHa WINGにサーバー移転したいけど、表示エラーやSSLトラブルが怖い……』

そんな不安をお持ちではありませんか?

この記事では、筆者が実際に同一ドメインでConoHa WINGへ移行した経験をもとに、つまずきやすいポイントとその回避方法を重点的に解説します。

たとえば……

  • hostsファイルを使った事前動作確認の方法
  • SSLが反映されない場合の対処法
  • 管理画面にログインできないときのチェックポイント

といった、実際に起こりやすい課題とその解決策を網羅。

今使っているレンタルサーバーからConoHa WINGへの引っ越しを、スムーズに進めたい方のための実践ガイドとして、ぜひご活用ください。

目次

ConoHa WINGで移行時に起きやすいトラブルとは?

conoHa WING

WordPressのサーバーをConoHa WINGへ移行する際、下記のようなトラブルがよく報告されています。

  • サイトが表示されない
  • 管理画面にログインできない
  • SSLが有効にならない
  • 旧サーバーにアクセスされてしまう(キャッシュやhostsファイルの影響)
  • ファイルサイズ制限でインポートできない

実際、私もサーバー移転の際にこういったトラブルに直面したことがあります。

とはいえ、これらは事前にポイントを押さえておけば防げるトラブルばかりです。

この記事では、これらの問題が起きる原因と、スムーズに対処するための方法を、実体験に基づいて詳しく解説していきます。

今回の移行条件と使用ツールについて

スターサーバーからコノハ

本記事では、以下の条件で行ったWordPressサイトのサーバー移行をもとに、具体的な手順や注意点を解説していきます。

  • ドメイン:変更なし(例:example.com)
  • 移転元:スタードメイン無料サーバー
  • 移転先:ConoHa WING
  • 使用ツール:All-in-One WP Migration(無料プラグイン)

ドメインはそのままで、サーバーだけを引っ越す『同一ドメインでの移行』です。

このケースに多いトラブルや、事前に対策しておきたいポイントを、使用ツールの使い方も交えながら解説していきます。

旧サーバーでやること【データの準備】

All in one WP migration

まずは、旧サーバー側のWordPressから必要なデータをエクスポートしておきましょう。

ここでは、プラグイン『All-in-One WP Migration』を使った方法をご紹介します。

プラグイン導入とエクスポート

  1. 旧サーバーのWordPressにログイン
  2. 『All-in-One WP Migration』プラグインをインストール・有効化
  3. 管理画面左メニューから『All-in-One WP Migration』→『エクスポート』を開く
  4. 『エクスポート先』で『ファイル』を選択し、.wpressファイルをダウンロード

このファイルが、後ほどConoHa WING側で読み込む移行データになります。

WordPress / PHP バージョンの確認

移行後のトラブルを防ぐために、現在の環境バージョンも控えておきましょう。

  • WordPress:『ツール』→『サイトヘルス』→『情報』タブで確認可能
  • PHP:同じくサイトヘルスの情報タブや、サーバーのコントロールパネルで確認できます

念のためバックアップも取得

移行作業中に予期せぬトラブルが発生する可能性もあります。

念のため、以下のような方法でもバックアップを取っておくと安心です。

  • バックアッププラグインを利用(例:BackWPup、UpdraftPlus など)
  • FTPソフトで全ファイルをダウンロード
  • サーバーの管理画面からデータベースをエクスポート

ドメイン設定手順|ConoHa WINGで同一ドメインを使う場合の流れ

同一ドメインでConoHa WINGにサーバーを移行する際は、ConoHa側で事前にドメインの受け入れ設定をしておく必要があります。

以下では、移行に必要なドメイン関連の設定手順を順を追って説明します。

1. ConoHa WINGにドメインを追加する

まずは、ConoHa WINGの管理画面にログインし、使用するドメインをあらかじめ登録しておきましょう。

手順は以下のとおりです。

  1. コントロールパネルの左メニューから『サーバー管理』>『ドメイン』を選択
  2. 画面右上の『+ドメイン』ボタンをクリック
  3. 『新規ドメインを追加』に使用するドメインを入力し、登録を実行
  4. 『無料独自SSL』は『利用する』を選択(移行後に有効化されます)
conoha ドメイン追加

2. ドメインのネームサーバーをConoHaに切り替える

次に、ドメインのネームサーバー設定をConoHaに変更します。

この設定は、ドメインを取得・管理しているサービス(例:お名前.com、ムームードメイン、Xserverドメイン など)の管理画面から行います。

ConoHaが指定するネームサーバー情報は以下のとおりです。

ns-a1.conoha.io  
ns-a2.conoha.io  
ns-a3.conoha.io

この作業によって、ドメインの管理先がConoHaに切り替わり、サイト表示やSSLの設定がConoHa側で反映されるようになります。

なお、変更が反映されるまでに数時間~最大72時間ほどかかることがあります。

ConoHa WINGで注意すべき初期設定

WordPressをConoHa WINGに移行する際は、初期設定を正しく行うことがスムーズな移行のカギとなります。

以下の3つのポイントに注意しましょう。

1. WordPressかんたんセットアップは使わない

ConoHa WINGには『WordPressかんたんセットアップ』という機能がありますが、移行プラグイン『All-in-One WP Migration』との相性が悪いケースがあります。

エクスポートファイルのインポート時に不具合が発生する可能性があるため、今回は以下の手順でWordPressを新規インストールするのがおすすめです。

  • 『サイト管理』>『サイト設定』>『+ドメイン追加』
  • その後、『アプリケーションインストール』から WordPress を選び、新規インストールを実行

2. WEXALは最初はOFFがおすすめ

WEXAL

ConoHa独自の高速化機能『WEXAL(ウェクサル)』は便利ですが、移行直後はOFFにしておくのが無難です。

というのも、テーマやプラグインとの相性によっては、表示崩れや動作不良の原因になることがあるためです。

トラブルの切り分けをしやすくするためにも、初期状態では無効化し、サイトが安定してからONに切り替えるのがおすすめ。

3. PHPバージョンを合わせる

WordPressやプラグインの動作に影響するため、PHPバージョンは旧サーバーと同じ、または近いものを選びましょう。

  • ConoHa WINGにログイン
  • 『サイト管理』>『サイト設定』>『応用設定』>『PHP設定』からバージョンを変更できます。

インポート時の落とし穴と対処法

All-in-One WP Migration を使った移行作業は基本的にシンプルですが、つまづきやすい“落とし穴”もいくつか存在します。

ここでは代表的な2つのトラブルとその対策をご紹介します。

1. ファイルサイズ制限エラー

ConoHaでは、インポート容量の初期上限が32MB程度に設定されていることがあります。

この場合、エクスポートした.wpress ファイルが大きい場合にエラーになります。

対処法①:.htaccess に以下を追記

以下のコードを、WordPressルートディレクトリの .htaccess ファイルに追記します。

php_value upload_max_filesize 512M
php_value post_max_size 512M
php_value memory_limit 1024M
php_value max_execution_time 300

これにより、より大きなファイルのインポートが可能になります。

対処法②:有料アドオンを購入する

All-in-One WP Migration の公式アドオン『Unlimited Extension』を導入することで、ファイルサイズの上限が無制限になります。

頻繁に移行作業を行う方や、大容量のサイトを運用している方にとっては、有力な選択肢です。

2. インポート後にログインできない

インポート作業が完了すると、All-in-One WP Migrationの仕様で自動的にWordPressからログアウトされることがあります。

このあとログインし直そうとすると、リダイレクトループや画面が真っ白になるなどのエラーが発生する場合があるんんです。

対処法:wp-config.php に一時的にURLを固定

このようなログイントラブルはwp-config.php に以下のコードを追記することで解消できることがあります。

define('WP_HOME','http://example.com');
define('WP_SITEURL','http://example.com');

example.com の部分は、ご自身のドメインに置き換えてください。

なお、SSL(https)を有効化した後は、URLを https://example.com に修正するのを忘れずに。

SSLが『設定できない』『時間がかかる』理由とその対処法

サイト移行後、ConoHa WINGでSSLを有効化しようとしても、すぐに反映されない・設定に失敗することがあります。

ここでは、その主な原因と対処法をご紹介します。

理由①:ネームサーバーがConoHaを向いていない

SSLの設定は、ドメインのネームサーバーがConoHa側を正しく指していないと失敗します。

たとえWordPressの設定が済んでいても、DNSがConoHaのIPアドレスを指していない状態ではSSLは発行されません。

対処法

  • ドメイン管理会社のコントロールパネルで、ネームサーバーまたはDNSレコードを確認
  • Aレコード がConoHaのIPアドレスになっていることを確認する

ネームサーバー変更後、数時間〜最大24時間程度の反映待ちが必要です。

理由②:SSLの反映には時間がかかることがある

SSLの発行(Let’s Encrypt)は即時に完了するとは限りません。

筆者のケースでは、設定から反映まで3時間以上かかったこともありました。

対処法

  • ConoHaの管理画面で『SSL設定中』と表示されている場合は、基本的にそのまま数時間待機して問題ありません
  • 数時間後も変化がない場合は、一度『SSL有効化』を再実行してみましょう

7. リダイレクトループ・Not Found を防ぐには

404エラー

SSL化後によくあるトラブルのひとつが、リダイレクトループや『Not Found(ページが見つかりません)』が表示されるエラーです。

これは主に、URL設定や.htaccess の記述にズレがあることが原因で発生します。

1. WordPressのURL設定を見直す

まずはwp-config.php に記述しているURLが http → https に適切に変更されているかを確認しましょう。

SSL有効後の記述例は下記の通りです。

define('WP_HOME','https://example.com');
define('WP_SITEURL','https://example.com');

example.com はご自身のドメインに置き換えてください。

または、wp-config.php の記述を削除し、WordPress管理画面の『設定』>『一般』から、WordPressアドレスとサイトアドレスの両方をhttps://~ に変更することで対応できます。

2. .htaccess の記述ミスにも注意

wwwあり・なしを統一したい場合や、リダイレクトルールを設定する場合、.htaccess の記述が原因でループやエラーが起きることがあります。

wwwなしに統一したい場合の記述例は下記の通りです。

<IfModule mod_rewrite.c>
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.example\.com [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://example.com/$1 [L,R=301]
</IfModule>

逆に、wwwありにしたい場合はexample.comwww.example.com の位置を逆にしてください。

ChromeのキャッシュやHSTSが原因で『表示されない』場合の対処法

サーバー移行後、一部の端末で『サイトが表示されない』『リダイレクトループになる』といったトラブルが発生することがあります。

このような場合、Chromeに保存されたキャッシュ情報やHSTS(セキュリティポリシー)の影響が原因の可能性があります。

1. まずはシークレットモードで確認

Chromeのシークレットモード(Ctrl + Shift + N)で該当サイトにアクセスしてみてください。

ここで問題なく表示される場合は、ローカル端末に残った情報(キャッシュやHSTS)が原因と考えられます。

対処法①:サイトデータを削除

  1. Chromeで該当のドメインにアクセス
  2. URLバーの左にあるアイコン(鍵マークや「保護されていない通信」など)をクリック
  3. 『サイトの設定』を選択
  4. 開いた画面で『データを削除』をクリック
  5. サイトを再読み込み
chromeのデータ削除

これにより、古いキャッシュがクリアされ、正しい情報で読み込まれるようになります。

対処法②:HSTSの削除(必要な場合のみ)

  1. Chromeのアドレスバーにchrome://net-internals/#hstsと入力
  2. 『Delete domain security policies』の入力欄に、対象ドメイン名(例:example.com)を入力
  3. 『Delete』ボタンをクリック

これで、HSTSのローカルポリシーが削除され、強制リダイレクトによる不具合が解消されます。

よくある質問・トラブルQ&A(ミニFAQ風)

ここでは、同一ドメインでサーバー移転を行う際に起こりやすいトラブルとその対処法を、Q&A形式でまとめました。

サイトが真っ白で何も表示されない!

wp-config.phpでURL設定の誤りがあると、表示されなくなることがあります。まずはWP_HOMEWP_SITEURL の記述が正しいか確認しましょう。

またはプラグインやテーマの不具合が原因となることもあるため、必要に応じてFTPで/wp-content/plugins のプラグインフォルダを一時的にリネームして無効化する方法もあります。

インポート後に管理画面に入れません

All-in-One WP Migrationのインポート後に自動ログアウトされ、ログイン時にリダイレクトループが発生するケースがあります。

一時的にwp-config.phphttp://~ のURLを追記することで、リダイレクトを防ぎログインできるようになります。

SSLは有効化済みなのに、httpでしか表示されません

WordPressの管理画面の『設定 > 一般』や、wp-config.php に記載されているURLがhttp:// のままになっていないか確認してください。

加えて、.htaccess による 常時SSL化(http→httpsへのリダイレクト)設定も必要です。

(例:RewriteCond %{HTTPS} off など)
WordPressが初期化されたように見えます

キャッシュや設定ミスにより、移行後に『新しいサイトのように』見えてしまうことがあります。

まずはwp-config.php のURLや、.htaccess の記述内容を確認してください。

また、ChromeのキャッシュやHSTSを削除すると正常に表示されるケースもあります。

最終チェックリスト(移行完了後に確認すべき7項目)

WordPressサイトをConoHa WINGに移行したあとは、以下の7つの項目をチェックしましょう。

すべて問題がなければ、移行作業は無事に完了していると判断できます。

①トップページ表示サイトのトップページが正しく表示されているか
②httpsアクセスURLが『https://~』でアクセスできているか
③管理画面ログインWordPress管理画面に正常にログインできるか
④投稿・画像の確認投稿ページや画像がすべて表示されているか
⑤リダイレクトの動作確認httpやwwwありのURLがhttpsに正しくリダイレクトされているか
⑥複数端末での表示確認スマホ・タブレットなど異なる端末でも正常に表示されているか
⑦Search Console/アナリティクス反映Google Search Consoleやアナリティクスに新サーバーURLが反映されているか?

移行直後はキャッシュや設定ミスによる不具合も起きやすいため、慎重に確認しましょう。

まとめ

ConoHa WINGは高速・安定性に優れたサーバーで、使い勝手も良いため非常に人気があります。

ただし、サーバー移行時にはいくつか独特のクセや仕様に注意が必要です。

今回ご紹介したようなよくあるトラブルと対処法を事前に知っておくことで、移行作業のハードルは大きく下がります。

『知らなかった』ことによるつまずきを防ぎ、安全に引越しを完了させましょう。

この記事が、あなたのWordPress移行の成功に役立てば幸いです。

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この記事を書いた人

露木 啓(つゆきのこ)のアバター 露木 啓(つゆきのこ) 関東きのこの会 代表

Webライターの露木啓(つゆきのこ)です。元きのこ問屋の営業マンで、現在はIT業界でWebライティングやサイト管理に従事しています。大のきのこ好きで、『関東きのこの会』を立ち上げ、情報発信も続けています。週末は近場でのきのこ散策が楽しみです。
SEO検定4級、Webライティング能力検定1級を保持し、10年以上の執筆経験を持っています。SEO対策を意識した文章で、読者を引き込み、検索エンジンにも評価されるコンテンツ作りをお手伝いします。
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